公認会計士の2次試験に19歳で合格(当時の最年少記録者)、平成17年にはウォール・ストリート・ジャーナル「世界の最も注目すべき女性50人」に選ばれ、著作累計発行部数は500万部を超える経済評論家の勝間勝代さんの「お金は銀行に預けるな。」について解説します。
詳しく知りたい方は「お金は銀行に預けるな。」を購読していただければと思いますが、今回はそこで紹介されていた「ドルコスト平均法」という投資手法についてご存知ない方のためにわかりやすく解説したいと思います↓↓↓
目次
ドルコスト平均法
金融商品にかぎらず、何かで儲けようと思ったら「安く買って、高く売る」のがもっとも単純なやり方です。これを投資に当てはめると、「株価が暴落したときに大量に購入し、株価が値上がりするのを10年でも20年間でも辛抱強く待ち続ける」のが資産を増やすセオリーになるはずです。
しかしこの単純なやり方に問題がないわけではありません。株価が暴落するタイミングで、大量に購入できるだけの資金をもっていなければなりません。またそもそも論として、本当に株価が値上がりするのか?という疑問も湧くでしょう。もしかしたら株価はそれほど値上がりせずに、購入した時の株価に戻るだけかもしれないのです。
例えば株価100円で買った株が50円に下落して、ふたたび100円に戻ったとします。この場合、損も得もなく、たんなる時間の無駄に思えてしまいます。しかしこのような相場でも、リスクを抑えて利益を獲得する方法があるのです。それが「ドルコスト平均法」といわれる投資手法です。
ドルコスト平均法のやり方は単純すぎるほど単純です。「株価にかかわらず、定期的に(たとえば毎月)一定額のインデックスファンドを購入する」だけです。
ちなみにインデックスファンドとは、特定の指標(インデックス)と同じ値動きするよう運用される投資信託のことです。インデックスファンドの指標には、日経平均株価やNYダウといった「株式指数」や、NOMURA-BPI 総合のような「債券指数」などが使われます。
ドルコスト平均法の単純なやり方で、なぜ資産が増えるのでしょうか??その疑問を知りたい方は、以下の図をご覧ください↓↓↓
この図は、100円で購入した株が10カ月にわたって下落と上昇を繰り返し、結局、100円に戻った相場を簡略化したものです。
この場合、毎月1万円をドルコスト平均法で投資すれば、株価100円の時(1月、3月、5月、7月、9月)には100株、株価50円の時(2月、4月、6月、8月、10月)には200株購入することになります。
これを10回繰り返すと、累計で10万円を投資し1,500株を取得することになります。そして11カ月目に株価が100円に戻ったところで15万円(1,500株×100円)で売却すれば、5万円の利益がでたことになり、投資元本10万円に対する利回りはなんと50%になります。
以上のようにドルコスト平均法では、株価が下落してもその株価が元に戻れば、利益がでるのです。もちろん売るタイミングで株価が上がっていれば、もっと儲かります。しかし勘のいい方であれば、こんな疑問をもつはずです。「下落した株価が回復しなかったらどうなるの?」と。
実はドルコスト平均法という手法は、株の世界では「ナンピン買い」と呼ばれ、昔から「投資の下策」といわれてきました。なぜならば下落する株を買いつづけて、結局倒産してしまえば、全財産を失ってしまうからです。
しかしだからこそ「株価インデックス」を購入することが重要になってくるのです。なぜならば株価インデックスなら、下落した株価が元に戻らないということは考えにくいからです。とりわけ「世界株インデックス」が紙くずになるのは、この世から資本主義が終焉するような場合に限るでしょう。
資本主義は終焉するか?
ドルコスト平均法の話を聞いた人のなかには、「いい話を聞いた。働いて節約して貯金するはずだったお金の一部をドルコスト平均法で投資しよう。そうすれば副業や投資の勉強もする必要もない。めでたしめでたし。」と感謝してくれる人もいるでしょう。
しかしこの世の中に「絶対」はありません。ドルコスト平均法の落とし穴は、「株価が戻らない場合」(≒資本主義が衰退する場合)であり、そんなことは「日本が財政破綻する可能性」よりもずっと低いし、想像するのも難しいことですが、マジメに資本主義の終焉について研究している人もいます。
これまでの話をまとめると、ドルコスト平均法は「株価の値動きは世はどうなるかわからないが、資本主義が成立する以上、世界のどこかでは成長する経済主体がいる。」ことを前提にしており、その前提が壊れないかぎり、長期的な視点に立てば資産を増やすことのできる可能性が高い投資手法だといえます。
あなたはドルコスト平均法に挑戦したいと思いますか?